第5章 好機は次々と
それから数日後。
色々と楽しく、時には鬼畜な撮影や配信も終えて落ち着いてきた頃、たまにはエンドラRTAでもやるか、とゲリラ配信をした日。廃要塞でエンパを集め始めた時くらいに、配信のチャット欄に妙に目立つコメントが目に映った。
頑張って、おんりーちゃん!
「……え」
手を止めて、流れていくコメント欄を遡る。そこに書いてあったのは一言だけの応援コメントと「カイト」という名前が。
「ええ、カイトさん?!」
一部の視聴者さんたちもジニアさんたちを知っているらしく、コメント欄は大騒ぎ。カイトさん? カイトさんじゃん! 見に来るんだ! などなど。
カイトさんが見に来ているのならと俺はより一層力が入り、さっさとエンドラ討伐を終えた。最後まではさすがに見ていないか、と少し残念な気持ちになりながらも、コメントを打ってくれただけでも非常に嬉しかった。
そうして配信を終えてSNSを開くと、DMにメッセージ通知が来ていたことに気がついた。変な迷惑メールなら速攻消すぞ……と警戒心のまま確認すると、カイトさんからのDMで一瞬息が止まるかと思った。
「突然配信見に来て迷惑だったかな?歌みたが嬉しくて何度も聴いていたらおんりーちゃんが配信してて、ついコメント打っちゃったよ」
という文章。そりゃあ俺の方がちょっと歳下だけど、めちゃくちゃフランクな文章だった。俺は急いで返信を送った。
「とても嬉しかったです。あと、勝手にモデレーターにしてすみません」
と送ると、いえいえ、モデレーターにしてもらって嬉しいです、と。そして、次にはびっくりな一言が。
「俺たちも一緒にゲームとかしてみたいです」
……え?
俺は頭の中が真っ白になりかけた。
コラボってこんなふうに決まるんだっけ。大きなことはドズルさんに任せっきりだからよく知らないけど、こんなことあるんだ? よりにもよってジニアのカイトさんに。
「もちろんです」
断る理由もないと俺がそう返信すると、いつがいいですかとか、何日と何日ならいけます、とそれこそトントン拍子で話が進んでいき……。
結果的に、俺とカイトさんは一緒にゲームをしながら配信することになった。