第23章 疼く感情
「ジニアさんと何かあった?」
「え」
なんでこの人には、なんでも見抜かれてしまうのだろう。さすが社長、否ドズルさんだ。俺は言い淀んだが、ここまで言われたのなら答えるしかないと思った。
「実は……カイトさんに、告白みたいなこと言われました……」
冷静に言ったつもりだったが、俺の声は震えていた。ドズルさんが向こうで何かガサガサしている音が聞こえた。ドズルさんも動揺してるの?
「告白?」
「はい」
あんな言い方だったけれども、あれは間違いないだろうと俺は考えていた。間違いでもいいんだけど。間違いだったら……それはちょっと、傷つくかも。
「でも、コラボはしたいです」
カイトさんに何か言われても言われなくても、俺はジニアが好きだしずっと憧れの存在だ。それはこれからだって変わらない。
「そっか、分かった。おんりーがそう言うなら、このまま話を進めるよ」ドズルさんが通話越しで深く頷いている気配がした。「本当にいいの? 今度のはチーム分けになるみたいだけど」
「本当に大丈夫です」
むしろ早くコラボをしたい気持ちなのは本当だ。俺は目を伏せた。でもまさか、あんなことになるなんて、この時の俺は何も知らなかったのだ。