第4章 それは突然に
俺のチャンネルに投稿された歌みた「キラキララ」は大盛況だった。歌を仕事にしているジニアと比べたら俺なんて全然なのに、コメント欄は賞賛で溢れ返っていた。
こういうのを見ると、あ、俺は配信者で良かったな、と心から思う。
そうやってぼんやりとコメント欄を眺めていると、ある人からのメッセージに気がついた。
俺の作った歌をこんなに素敵に歌ってくれてありがとう!
「え」
声が出た。
いや、でもまさか、とそのコメントを送ってきた人のチャンネルを見に行く。よく知っているカイトさんのイメージキャラクターアイコンに、概要欄には「ジニアの作詞作曲をしています」の文が。雑談やゲーム配信まではそこまで追ってはいないが、動画やアーカイブがご本人様と分かるものばかりで俺は困惑する。カイトさんに似せた偽物なのでは、と。