第21章 気づき
俺の中の恋愛感情に気づいてからといっても、特段生活が変わることもなかった。
「らいくーん、ご飯だよ〜」
「にゃあ」
いつも通りらいくんにご飯をあげて、いつも通りに撮影をして。
それでも気づいたらカイトさんのことが頭の片隅に浮かんでいて、これが恋なんだって意識するだけで恥ずかしかった。
だけどカイトさんとの連絡は、ぱったりとなくなっていた。いつもカイトさんからの連絡だったから、俺がメーディさんに気があるのではって思い込んでいるのならそれもそうか、と納得するしかなかったけど。
じゃあ俺から連絡するのは? 何度も考えたが、それが正解なのかどうか分からない。
「どうしたらいいんだろうね、らいくん」
俺はらいくんの頭を撫でながら呟く。らいくんはニャーニャーと答えるだけだ。そんならいくんをぼんやり眺めていると、ふと思いついたことが一つ。
「あ」
俺はスマホを手に取ってメッセージアプリを開いた。俺から連絡することがあってもいいはず。メッセージを送るのは、カイトさん。