第20章 恋のお悩み?
「カイトが、大切な友人の悩みを解決させてあげたいって言ってて。でも俺じゃ分かんないから頼まれてって言われてここに来たの」
とメーディさんが言うには、前に俺がなんとなくカイトさんに「恋愛とか、よく分からないんですよね」と言ったことがきっかけでこうなったらしい。だとしてもなぜメーディさんを紹介することになったのか、と俺はずっと疑問だったが、メーディさんはあっさり答えてくれた。
「私、独身なのよ。クレナイさんは恋愛に興味ないし、ランさんには彼氏がいるし。それで、カイトは私を紹介したのね」
「えっと、それがどういう……?」
「カイト、私とおんりーさんでお見合いさせるつもりだったのかも?」
「え……」
衝撃的発言。こういうのを、頭に岩をぶつけられたというのだろう。俺は返す言葉も分からず呆然としていた。
しかしメーディさんは楽しそうに笑った。まぁ気にしないで、カイトの早とちりは今に始まった訳じゃないから、と。
「カイトさんのこと、詳しいんですね……」
ジニアメンバーの一人なのだから当然だろうと俺がそう言うと、メーディさんから更なる衝撃を聞くことになる。
「カイトは私のお兄ちゃんなの」
「お兄ちゃん……っ?」
気をつけないとうっかり大声が出そうだった。俺は落ち着こうと、届いた飲み物を口に含む。色々なことを聞き過ぎて、飲み物の味が分からない。