第10章 ベット爆破が出来る世界
「ってことは今回は、ベットでリスポーン出来ないってことですか?」
……え?
ドズル社とジニアの全員が初めて揃って出した声。まぁ俺は、ドズルさんが企画の名前を口にした時から薄々気づいてはいたけど。
「ちょっと試してみましょう。今の俺ならまだ何も失うものないし」
「あ、私羊毛持ってますよ、MENさん」
「ランさん、ありがとうございます!」
自ら率先して治験を始めようとしたMENに、女性ながらカッコイイ声をしているランさんがどうやら羊毛を用意してくれていたらしい。MENが作業台でクラフトしているのが見え、俺は少し距離を取ることにした。
「よっしゃ、行くぜ!」
覚悟を決めたMENがそう言ってベットを置いたのを俺は遠目で見守る。そして……。
ドガーン……!!!!
見事に爆発したベットは、大きな音を立てながら周りの地形を抉り取った。それだけではなく、炎もあちこちと残し、周りの草木に延焼という第二被害を広げようとしていた。
「えー……三時間だな」
MENがボソリと呟く。それは、MENが予想するこの動画撮影が終わる時間のことだろう。
「コラボ企画でそんなにかかることある?」
とおらふくんは疑問を口にするが、ジニアの人たちにはこの鬼畜さが伝わっていなさそうだ。
「まさかコラボ相手に朝まで付き合わせることになったら……」
そう俺が途中で言葉を切ってしまったが、クレナイさんは全てを察したらしい。
「大丈夫! 朝になっても付き合うよ! なぁ、みんな!」
「「おう、もちろん!」」
コラボ企画で鬼畜撮影の始まりだった。