第10章 ベット爆破が出来る世界
「ベット爆破が出来る世界でエンドラ討伐〜!!」
それからいくらか経ったある日。ついにその時がやって来たのだ。
「やっほー! クレナイでーす!」
「碧玉の翼、エムルートで〜す!」
「どうも〜、ベット爆破の上を歩くのが得意なアルくんです〜」
「ランです♪」
「こんにちは! カイトだよ〜」
そう。ドズル社とジニアのコラボ企画撮影の日である。
「こんにちは、ジニアさん! 今日はよろしくお願いします〜」
「「よろしくお願いしまーす!」」
まず先にドズルさんが挨拶をすると、五人は息ぴったりに返事をする。すごい。さすが歌手というかなんなのか、ハーモニーがすごい。
「それより、ベット爆破の上を歩くってどういうこと?」
早速アルくんの不思議発言にツッコミを入れてきたのはぼんさんだ。今日はギャグキャラで行くのだろうか、と俺は考える。おらふくんとキャラ被りそう、なんてどうでもいいことも考えながら。
「えーっと、そのまんまの意味ですよ! だって僕はアルくんですから!」
「あー、アルくんと歩くを掛けたのね」
アルくんの言葉にぼんさんがそう頷きながらフフと笑っているのが聞こえた。ぼんさん、そういうダジャレみたいなの好きそうだし、みんなジニアの人たちとすぐ仲良くなれそうだ。
「ベット爆破って、普通はエンドでやるんだよな? カイト」
ゲーム内最初の動きをしながらカイトさんに話を振ったのはクレナイさんだ。確かジニアはこのゲームにはあまり慣れていないんだっけ。
「そうそう……てか、この話はおんりーちゃんの方が詳しいんじゃないかな?」
とカイトさんは俺に話を振ってきた。
「詳しいっていうか、みんな詳しいと思うけど……」俺は話し続ける。「ネザーやエンドは、置いたベットに触ると爆発するんですよね。前にドズぼんがやってましたよ」
今でも鮮明に思い出す、ドズぼんのネザーでのこと。今ではジニアの人たちがあの頃みたいなものなのかなぁとぼんやり考えている俺の横で、ぼんさんはまだ覚えていたのか、なんて呟いた。
「あの時はベット置きたいってドズさんが」
「だって爆発するとは思わないじゃないですか、あの頃は」
そうしてぼんさんとドズルさんのいつも通りの会話を流しながら、ふとおらふくんがこんなことを言い出した。