第8章 FPSゲーム
その後のFPSゲームは、俺の凡ミス挽回というのもあり、必死に武器を振り回していたらあっという間に優勝間近となっていた。残りチームはあと一組。フルパなのか隠密されているのか分からないが、その一組を倒せば優勝出来るという状況だった。
「場所も良さそうだし、ここで待っていたら(敵が)出てくるかな?」
とカイトさんが言うのは、俺たちは高いところにいて、安置もかなり狭まってきていたからだ。俺もそうだと思ってはいたが、この世界は対人ゲームだ。何が起こるか最後まで分からない。
「こっちから仕掛けるのもありっすよ」
とMENが言う。MENが今使っているキャラクターは火力や戦闘に手数が多い。俺は機動力が高いキャラだし、それはありかもな、と思っていたところだった。
「あ、あそこにいた!」
MENが声を上げて敵がいたらしいだろう場所にピンを指す。俺は武器を構えて覗き込んだ、次の瞬間だった。
「後ろだ!」
カイトさんの声。
俺は素早く振り向いたつもりだったが、カイトさんはいつの間にかダウンしていて。攻撃を撃ち込むが大して当たらなかった敵のソイツは、スピードが早く、目標を定めるのが難しかった。ソイツは奇襲攻撃に特化した環境キャラというやつで、一気にこちらに距離を詰めることが可能なタイプだったのだ。
「おんりー、カイトさん!」
MENが加勢してきたが、すでに俺たちは挟み撃ちだった。MENが先程ピンを指してた方向からも敵が攻め込んで来ていたのだ。