【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第4章 後宮の外に毒の華が咲く④
そして捕まった侍女は、月娘の侍女と同じ様に拷問を与えられ処刑されたと言う。
一部証言が変わり、学の無かった月娘の侍女を利用したと証言していたが。
結局何故月娘の侍女が、その女に毒を渡したかは本人が死んでしまっている為、真相は明らかにされなかった。
そんな頃に、才女殺しが終結した頃の烏龍城に居る風軍に、名前を伏せられた支援金が届いた。
風軍の軍師である夏潤はその支援金を見て目を細める。
黒い髪が癖っ毛で跳ねていて、目の色は月娘と同じ翠緑の色をしている。
鎧を着ているが、太い腕には傷があちこち見えていた。
長身のその男は、紛う事なき月娘と同じ血筋で間違い無いだろう。
都に出でくれば、彼の美貌でどんな女性も擦り寄って来そうだ。
「……間違い無く月娘からの物資だよな…。」
品名を巻物で確認するが、月娘で間違いは無さそうだ。
「それなのに、なんで月娘と薬店の婚姻の話が出てこないんだ?」
確かに自分はそうする様に月娘に伝えたはずだ。