【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第4章 後宮の外に毒の華が咲く④
ー
ーー
ーーー
「…しばらく振りですね。壬氏様。」
しばらく壬氏を見ないと思っていたら、後宮に現れた途端にすぐに猫猫は執務室に呼ばれた。
「……少し体調を崩していてな……。」
咳払いをしながら言う壬氏の後ろでは、不憫な顔をした高順が居た。
「……私にうつさないで下さいよ…。」
猫猫は本当に嫌そうな顔をして、壬氏との距離を開けた。
「……お前と居ると、すこぶる調子が良くなりそうだよ薬屋。」
今日も安定の猫猫の態度に、相変わらず変な性癖のスイッチが押される。
「才人の侍女の件が解決したぞ。」
「そうですか、壬氏様にしては時間がかかりましたね。」
「寝込む前には解決していた。」
「まぁ大体想像はついていますけど。」
才人を殺したのは、侍女で間違い無い。
彼女は初めから『月娘』からトリカブトを受け取ったと言っていた。
なのに朝起きたら死んでいたなどと、辻褄が合わない事を平気で言っていた。
「初めから月娘様のせいにして、事件が有耶無耶になる事を待っていたのでしょう。」