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【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】

第4章 後宮の外に毒の華が咲く④


「だけど、殿下の取った行動はどうだった?宮に籠ったかと思ったら、後宮で会ってもしばらく私から逃げ回っていたわよ。」

「…………。」

確かに当時の事を思い出しても、それ以降2人の関係が良くなった記憶は無い。

むしろ仲違いが悪化した様な……。



「古今東西、男は寝所では甘く変わるのよ。」

「……お嬢様……。大衆向けの本を読み過ぎですよ…。」

僑香の涙がすっかり引っ込んだのを見て、月娘は少し笑った。




しかしその笑みはすぐに無くなり、月娘は真顔になった。

女もまた、睦事が終われば、その気分が変わるのも早い。




(……何とか支援は出来そうだけど……。)

次に月娘の頭に浮かんだのは夏潤の事だった。

その男の事を考える時の月娘の表情はいつも険しくなる。




(すぐに、私が婚姻を破棄したと伝わるだろう…。)

その時の夏潤の行動を考えると、更に眉間に皺が寄った。

(まぁでも…殺される訳じゃ無いし。)



あの男に出来る事なんて、いつもの様に痛ぶってくる事だけだろう。

あのクソサディスト野郎。
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