【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第4章 後宮の外に毒の華が咲く④
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「…僑香、起きて。」
壬氏の部屋を出ると、月娘は真っ直ぐに僑香が待機していた部屋に行った。
「っお嬢様!すみません!!」
「………………。」
僑香は青い顔をして、一瞬で目が覚めた様だが、月娘は別に怒る気持ちも無い。
こんな真夜中過ぎまで待たせてしまった事は、純粋に申し訳ないと思っているからだ。
「……お嬢様…、少し御髪を直しましょうか…。」
「…………//////」
1人で寝所から身支度をして来た月娘を見て、僑香は自身も顔を赤らめて言った。
月娘が何も言わなくても、壬氏とどんな時間を過ごしていたか分かるからだ。
「…いいわよ、帰るだけだし…。」
月娘はそう言うと、そのままの格好で部屋から出た。
月娘の後を追って、僑香が急いで部屋を出ると、廊下には月娘の前に壬氏が居た。
「…気を付けて帰るんだぞ。」
「………………。」
壬氏がそう言って軽く月娘の頬を撫でると、月娘は少し俯いて、赤らめた顔で頷いた。