【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第4章 後宮の外に毒の華が咲く④
「……そんな事より、今の刻は?」
どれだけ寝ていたのだろうか。
誰かに見られる前に瑞月の宮から出なければならない。
身体を起こして外の様子を見ようとする月娘を、壬氏の腕が再び寝具に押し付けた。
「そんな事じゃないだろ。ちゃんと答えろ。」
覆い被さる様にピッタリと身体を付ける壬氏に、月娘の顔が赤くなった。
当たっているのだ…。
壬氏の固いモノが。
「…………………。」
唖然として何も答えない月娘に、壬氏はキスをした。
勿論、舌を絡めた情欲のこもったキスを。
ちゅぱちゃぱと、舌が絡み合うキスをして、身体を押し付けてくる壬氏を、月娘は力一杯押し返した。
このまま壬氏に身を任せたら、また営みが始まってしまいそうだ。
「瑞っ…。分かったからちょっと待って!」
月娘は必死に押し返す腕に力を込めた。
「……………。」
「……はぁ……。」
不満そうであったが、なんとか止まった壬氏に、月娘は安堵の息を漏らした。