【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第4章 後宮の外に毒の華が咲く④
自分がそんな状態なのに、目の前の男は乱れた姿も美しくてキラキラしていた。
「……………💢」
理不尽だと分かっていても、壬氏に怒りが沸いた。
そもそもこんなに自分の姿が乱れたのは、何度も何度も抱いてきた壬氏のせいだ。
「瑞っ……!」
痛みも伴って、少しの文句も言おうとした月娘の唇を、壬氏の唇が塞いできた。
キスは軽いキスじゃなくて、舌が絡まる深いキスだった。
ちゅっちゅっと何度も月娘を味わう様に、壬氏は唇を離しては頬や瞼。色んな場所をキスで埋めてくる。
不恰好な姿を晒している月娘を愛おしそうに愛でる壬氏に、月娘の怒りは鎮まってしまった。
「……まだ薬店の男と婚姻したいか?」
グッと月娘を抱き締めて、壬氏は少し不安そうな声で月娘に聞いた。
……その顔は反則だろう……。
さっきまでの嫉妬は怒りに満ちた顔で、それも良かったが。
不安そうに自分に縋る彼の表情も、月娘の胸がギュッとなった。