【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第1章 後宮の外に毒の華が咲く
「……今日は玉葉妃に鈴麗公主様のお祝いをしに来たんでしょう…。玉葉妃と月娘様は、玉葉妃が後宮入りした時からの仲だと言われてますから。」
「なんと…玉葉妃と通じる所があるとは…。月娘様もまた(にゃんにゃん)上級者なのですね。」
「………あんた…何言ってんの?」
きっと上級者女子でしか分からない話で盛り上がっているのだろう。
猫猫の月娘に対しての興味が変わった。
「……………。」
猫猫が1人で納得していると、侍女は辺りを見回して、自分達しかいない事を確認した。
「……これは噂だけど……。」
そうして小声でボソッと猫猫の耳元で呟いた。
「『夜の月様』との婚姻が無くなってから、月娘様の標的が壬氏様に移ったともっぱらの噂よ。」
「??!!!」
(また壬氏様か!!!)
今まで壬氏絡みの厄介ごとを見てきた猫猫は、その言葉で大きく納得するのだ。