【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第1章 後宮の外に毒の華が咲く
あの容姿では、後宮の華だけでは無く、後宮の外の華まで魅了しても仕方無い。
「あんた無駄に壬氏様と絡むんだから、覚悟しておいた方がいいわよ。」
「……………。」
それは月娘の標的に猫猫がなっていると言う警告だ。
(……わざわざ色恋で制裁を加える様な人には見えなかったが…。)
月娘の目線は確かに猫猫の事を捉えていた。
もしかしたら、あらぬ噂を聞いているのかもしれない。
だけど月娘がそれで誰かに手をかける様な。
そんな人物に猫猫は思えなかった。
「玉葉妃様、この度はおめでとうございます。」
手を袖で隠す正装で、月娘は深く玉葉妃に頭を下げた。
月娘の手の中には公主の為の土産の品でいっぱいだった。
「……ありがとう…。貴方にも良い話があったと聞いたけど…。」
玉葉妃は笑顔で。だけど少し目を伏せて月娘に言った。
その玉葉妃の言葉に月娘は同じ様に目を伏せた。