【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第4章 後宮の外に毒の華が咲く④
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「………ん……。」
あれ?私いつ寝たんだっけ?
いつの間にか記憶が無くなって、再び目覚めた時は今自分がどんな状況なのかも分からなかった。
目が覚めた瞬間に、身体のあちこちに痛みが走った。
キツい体勢で抱き締められたり。
普段は使わない股関節を無理に無理に開いて、特に下半身に鈍い痛みがあった。
「起きたか月娘。」
月娘が顔を上げると、キラキラと輝いている壬氏の顔が見えた。
「………………。」
この人はずっと寝ている私を見ていたのだろうか……。
自分の伴侶と寝所に入る時は、乱れても自分が少しでも綺麗で居られる様に、女人は気を使っていた。
化粧は薄く。
髪の毛も結いを解いて。
服はそんな女人を美しく見せる為に、脱がせやすく。
(………………。)
今自分はどんな格好をしているのだろうか。
多分綺麗に結っていた髪は乱れて。
着ていた着物や髪型に合わせて着飾ったアクセサリーも。化粧も。
きっと見るも無惨になっているだろう。