【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第3章 【R指定】後宮の外に毒の華が咲く③
キスを繰り返しながら、2人の手はお互いの着物の中に滑り込む。
「ふっ……あ……っ。」
熱った体に壬氏の冷たい手が触れて、月娘は吐息を漏らした。
「はっ……瑞……ここじゃ嫌……。」
夢中でキスをしてくる壬氏の顔を押し返した。
「……………。」
荒くなった息を何度か吐いて、壬氏は赤い顔で扉をチラッと見た。
(……頼むから居てくれるなよ、高順……。)
壬氏は乱れている月娘の服を軽く直すと、月娘の体を起こした。
扉を開けると、人の気配はあっても姿は見えなかった。
………出来た武官達で助かる…。
ほっとしてすぐに月娘の手を引っ張った。
足早に彼女を連れて行く先は、もちろん自分の寝殿だ。
長い廊下を歩いていても誰にも会わない。
この月娘の乱れた姿を誰にも見せなくない。
やっと寝殿に着くと、すぐに月娘を部屋の中に入れた。
まだ灯りがともっていない薄暗い部屋の中で、月娘の匂いが部屋の中に充満した。