【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第3章 【R指定】後宮の外に毒の華が咲く③
少し触れた唇はすぐに離れたけど、またすぐに触れてきた。
ちゅっちゅっと何度も唇を合わせていると、その内唇に柔らかい壬氏の舌が触れた。
「……んっ……。」
思わず漏れた月娘の声を飲み込む様に、今度は深く唇を押し付ける。
舌が絡まる音が、静かな部屋に響いた。
「……ん…っ……はぁっ……。」
息をしようと唇を離しても、すぐに壬氏の唇で塞がられる。
月娘は段々と息苦しくなってきて、壬氏の袖をギュッと掴んだ。
壬氏に抱かれて、縋る様に彼の腕にしがみ付き。
無我夢中でしばらくキスを繰り返す。
「………はぁ………。」
やっと壬氏の唇が離れた時は、お互いに顔を紅潮させて潤んだ瞳で、お互いを見合った。
壬氏はその月娘の表情を見て、満足した様に体を離した。
え?
「月娘と薬店の婚姻は無い。それだけだ。」
クルッと体を反転させた壬氏の着物を、月娘が力強く掴んだ。
……ちょっと待って。
それだけ?