【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第2章 後宮の外に毒の華が咲く②
「………………。」
「どうしたんですか?壬氏様。小猫が作った媚薬をジッと見て。」
壬氏が月娘への嫌がらせの為に猫猫に媚薬を頼んだ事は知っていた。
猫猫もまた、火種の種になると分かっていて作ったのだからタチが悪い。
3人の性格を分かっている高順は、媚薬が入っている木箱を見てため息を吐いた。
「せっかく小猫が作ってくれたのだから、月娘様に差し上げてはいかがですか?」
ニッコリ笑ってアドバイスをする高順に、壬氏は物凄く嫌な顔をした。
「本当に枋家に送ってみろ!アイツは喜んで使うに決まってるだろう!!」
「………………。」
ではなんでわざわざ作らせたのか…。
そんな不毛な質問はあえてしない。
(小猫も作るだけ作って、後はこっちに丸投げか……。)
高順の脳裏に、楽しそうに媚薬を作ったであろう猫猫の姿が思い浮かべられる。