【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第2章 後宮の外に毒の華が咲く②
実は才女暗殺の件はあの後すんなりと片付いた。
いつもならすぐに猫猫に事の結末を教えに行くのだが、渡された媚薬ですっかりとその報告も忘れている様だ。
それほど、壬氏にとっては大切な事の様だ。
「私が、枋家に届けましょうか?」
高順はニッコリ笑って木箱を掴んだ。
引き寄せようとした木箱がピクリとも動かない。
「……………。」
「はい?」
木箱を離さずボソボソと言う壬氏に、高順は耳を傾けた。
「………皇命を出す。」
顔を俯かせて、少し不貞腐れた様にボソッと言った壬氏に、高順の口角が上がった。
「枋家の令嬢を皇室に呼び出す。」
コレは高順が知っている限り。
皇弟の2度目の皇命だった。