• テキストサイズ

【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】

第2章 後宮の外に毒の華が咲く②


皇室に入る事を諦めたのは、壬氏のせいだけでも無い。

自分の業が邪魔をしている事も分かっていた。



だけど、それでもまだ…。

『貴方にはもっと相応しい正室が居るでしょう。』

そんな言葉で身を引く事が出来ない位には。

彼を愛していた。




幼稚な行動とは分かっていた。

だけど、他の人の元へ嫁ぐ最後の瞬間まで。

枋家の令嬢として、彼の側に居たかっただけだ。




(……そう言えば、流行歌の『毒の華』とはどう言う意味なのだろうか…。)




実はずっと分からなかった。




だけどもしかしたら…。




月娘は翠緑色の髪をした女の子を思い出した。

(猫猫なら、その謎を解いてくれるかも…。)




壬氏が構っている少女を見たら、もっと嫉妬に狂うかと思った。




だけど彼女を見て。

まぁ彼女なら。

彼の隣に居てもいいかもと。




そんな柄にも無い事を少し考えた。




/ 408ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp