【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第17章 【R18】毒の華は華麗に咲く②
壬氏は月娘との子供が欲しく無い訳ではない。
むしろ望んでいる。
「……わざわざ俺に確認してるのか?」
壬氏の言葉に月娘は少し顔を俯かせた。
「……そうだな…。確かに鄭・夏潤が言った様に俺が月娘を正妃にしたとして、子供が持てなかったらその座を下ろそうとする輩は居るだろうな。」
僑香は壬氏の話を聞いて顔を顰めた。
しかし当の壬氏はその言葉の後にニッコリ笑った。
「俺達には安息の生活は向いてない様だな。」
笑う壬氏の顔を見て、月娘もまた笑みを浮かべた。
「そしたら、俺が種無しになってもいい。」
「壬氏様!!!」
なんの事も無いように言う壬氏に声を荒げたのは高順だった。
「俺だって性欲を抑える薬を飲んでたんだ。理由はいくらでも作れるさ。」
月娘の為に本当に種無しになりそうな壬氏に、高順は顔を青くする。
「月娘も安息な皇室なんて退屈だろう。高順。」
まるでイタズラを始める少年の様に壬氏は高順を見て笑った。