【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第17章 【R18】毒の華は華麗に咲く②
「何故不安になってたの?」
「……お前はよく側室が当たり前だとか、教えられた通りの事ばかり生真面目に従っていたから…。」
壬氏が知っている月娘は。
もし不妊だと知ったら自ら離れていく女だった。
壬氏は彼女の不妊なんて少しも気にしていない。
彼が気にしていたのは、それが原因で月娘が自分から離れてしまう事だった。
「……傷付かなかったと言ったら嘘になるわ…。」
夏潤は月娘と壬氏がずっと思い合っていても何処か余裕だった。
その理由が月娘の不妊だと言うなら月娘は納得出来た。
そんな夏潤があの場で言ったのだから、きっと嘘では無いのだろう。
どうやら私は妊娠が出来ない可能性が多いようだ。
その事が腑に落ちた時。
彼女が心配したのはむしろ壬氏の方だった。
きっと彼はこの事実を知った時に、月娘以上に傷付いただろう。
「…瑞…。きっと夏兄様が言った事は事実よ。」
月娘は壬氏の顔を見ながら彼の反応を確認した。