【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第17章 【R18】毒の華は華麗に咲く②
「月娘の体に触れる事は重罪だ。取り押さえて刑罰を待っていろ。」
絶対的な壬氏の言葉に夏潤は乾いた笑みを吐いた。
「月娘にはまだ冊封は届いていない。」
夏潤の言葉に月娘は眉間に皺を寄せていた。
そんなモノが無くても、壬氏が月娘を抱いた事を夏潤は知っているからだ。
それなのにこんな場面でもまだ、月娘が壬氏の女人でないと言える浅ましさに顔が歪んだ。
更には帝の命でなければ忠義を誓おうとしない図太さに月娘は皮肉さをぶつける笑みを浮かべた。
「…お前は意外に形式にこだわるんだな。」
壬氏は高順に目をやると、高順は月娘の前に跪いた。
「天命を奉して皇帝陛下の命令によりー。」
冊封を広げ高順が読み上げる時、月娘と僑香はその場に跪き頭を下げた。
「朴月娘を皇弟華瑞月の正妃として皇室に入る事を命じる。」
月娘は顔を俯かせたまま一緒大きく目を開けた。
そしてその言葉を噛み締める様にゆっくりと目を閉じた。
「はい。その天命に朴家の忠義を誓います。」