【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第16章 【R18】毒の華は華麗に咲く
長い時間を壬氏と過ごしてきた。
その時間は決して幸せな時間では無かった。
壬氏の周りにはいつも他の女人が居た。
だけど壬氏はどんな時も月娘を1番の女人だと伝え続けた。
月娘はそれを信じ切れなかった。
今もまた。猫猫が彼にとってどんな女人なのか。
気になって問い詰めたい気持ちだってある。
「……瑞……。」
壬氏の名前を呼ぶ月娘の声はまだ怒っていた。
それに気がつくと、壬氏はまたすぐに月娘の唇を塞ぐ。
「ちょっ…ちゅっ…瑞っ!…ちゅっ。」
月娘が怒る度に壬氏は月娘にキスにする。
「もうっいい加減にして!!」
月娘がとうとう怒ると、壬氏は笑って月娘から顔を離した。
その壬氏の笑顔を見て。
月娘は怒っている事が馬鹿馬鹿しくなった。
「…はぁ…。もういいわよ…。」
月娘は結局壬氏の笑顔に負けてしまった。
「…月娘。もう怒るの終わりか?」
そう言って月娘の顔を覗く壬氏の顔は妖しい笑みを浮かべていた。