【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第16章 【R18】毒の華は華麗に咲く
結局月娘も壬氏の顔には弱いのだ。
月娘は着物の袖で口元を隠すと僑香に目配せをした。
僑香はすぐに月娘の側に来て月娘を伺った。
「お茶を2つ用意して。」
「どんなお茶にしますか?」
「もちろん茉莉花茶よ。」
「………………。」
その言葉で月娘の怒りが治って無いことを僑香は知った。
何故って。
月娘が茉莉花茶を飲む時は気付け薬を飲む時だからだ。
しかし壬氏は月娘が機嫌を直したと誤解したのだろう。
お茶を出すと言った月娘の言葉に安堵の表情を見せたから。
「皆様は西の棟に移動して下さい。」
月娘の棟にある西の棟は、月娘の居から少し離れた客間だった。
西の棟に移動する時に、夏潤はチラッと月娘と壬氏を見た。
月娘の機嫌を伺っている壬氏を見て、夏潤は渇いた笑みを吐いた。
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