【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第16章 【R18】毒の華は華麗に咲く
「首を刎ねられたいならそうするか?」
歓声を上げた猫猫は一瞬で表情を変えた。
猫猫と僑香が青い顔をして声の主を振り返った。
しかし月娘は眉毛1つ動かさない。
振り向かなくても分かる。
そこに誰が居るのか。
月娘は一旦目を瞑り、ゆっくりと声の主を振り返った。
月娘の庭を歩いて来ているのは夏潤と、壬氏と高順だった。
夏潤が壬氏を案内した様だ。
月娘は壬氏よりも招かざる客に目を細めた。
壬氏が後を追って来たのは想定内だった。
皇弟の姿で無く、宦官の姿なのもまぁいつも通りだった。
「まだ皇室から冊封も届いてないし、何も問題が無いのでは?」
「問題だらけだろ!!」
シレッと言う月娘に、壬氏はズカズカと月娘の前まで来た。
怒っていた壬氏の顔は月娘の前まで来ると急に表情を変えた。
「月娘様。人払いをして下さい。」
そう言った壬氏の顔は月娘に縋っている様だった。
少しだけ月娘の固唾が下がった。