【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第16章 【R18】毒の華は華麗に咲く
「…本当によろしいのですか?月娘様。」
月娘の言いつけで貴重な薬材を持ってきたが、簡単に渡してしまう月娘に、高侖は月娘に耳打ちをした。
しかし月娘はそんな事どうでもいい。
先程見た光景の方が、今の月娘の頭の中を締めているから。
………本当にどうしてくれようかあの男は。
月娘は薬材に小躍りをしている猫猫を目を細めて見た。
一体この少女に、何故壬氏は執着しているのだろうか。
普段はこんなに喜ぶ猫猫の姿は見れないから、懐いた猫みたいで可愛いとは思う。
自分が猫猫を愛でるのはいいが、それが壬氏なら腑が煮えくりそうだ。
特に最近ずっと夏潤に体罰を受けていた身でアレを見たら、何処で怒りを治められるのか自分でも分からなかった。
「……高侖。やはり私と婚姻を結ぶか。」
「!!お嬢様!!」
目を座らせながらそう言った月娘に、僑香は青い顔をして叫んだ。
「そしたら私を侍女にして嫁いで下さい!!」
目をキラキラさせた猫猫が月娘の言葉に賛同した。