【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第16章 【R18】毒の華は華麗に咲く
壬氏はすぐに月娘に歩み寄った。
「月娘…、これはね…。」
「………………。」
必死に月娘のご機嫌を取ろうとする壬氏から、月娘はゆっくりと顔を背けた。
その後は、何度壬氏が月娘の顔を伺おうとも、月娘は絶対に壬氏を見ようとしなかった。
「………猫猫。」
「うっ…はい!」
月娘の周りを彷徨く壬氏を無視して、月娘は猫猫を見て呼んだ。
「…あなたに花街のお礼を言いたくて来たんだけど…。」
「お礼ですか…?」
「これから私の家に来ない?」
「??!!」
月娘は猫猫を誘いたくて、玉葉妃の所に行ったのだ。
そして彼女と一緒に猫猫を迎えに来たら、ちょうどこの場面に遭遇した。
「枴(グアイ)薬店から珍しい薬剤を取り寄せたけど、どれがいいか分からないから選びに来て。」
「枴薬店ですか!!!!」
月娘の言葉に、猫猫は目を輝かせた。
「行きます!行きます!!」
「月娘!俺は!?」
「…………………。」