【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第16章 【R18】毒の華は華麗に咲く
猫猫が高順を見ると、サッと顔を背ける。
(くっ……今度下剤を盛ってやる💢)
これがトリカブトの蜜なら舐めるのに…。
トリカブトの蜜になら毒が入っている。
そんな事を考えていると、目の前に現れた救世主。
「あっ…。」
猫猫が声を漏らして、開いている入口に目をやる。
「壬氏さま…。」
自分を呼ぶ声に、壬氏は猫猫から顔を晒した。
「うちの侍女に何してるの?」
座った目で低い声で壬氏を諭す玉葉妃。
その形相を見て、助かったと安堵の息を吐く猫猫。
「…………………。」
壬氏が大人しくなったのは、玉葉妃を見たからでは無い。
その後ろに、玉葉妃よりも更にジトッとした目で壬氏を見ているのは…。
久しぶりに見た月娘だった。
「……月娘…。」
「…………………。」
月娘は口元を扇で隠して、執務室の中の壬氏をジッ見ていた。
もちろんその目は…。
これ以上無いほど軽蔑の眼差しを壬氏に送っていた。