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【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】

第2章 後宮の外に毒の華が咲く②


枋家ほど皇室に忠実で、黒いところ無い家も珍しいだろう。

月娘が言う通り、帳簿を見せれば枋家が買った物とは出てこないだろう。

そしてその帳簿もかなり信用性がある。




つまり、件のトリカブトは月娘の侍女が単独で買ったと言う証明になるだろう。

「…………………。」

壬氏は目線を外して俯いている月娘を見た。





死人に口無しで、もう侍女の言質は取れなくなったが、幸いにも渼妃の侍女は生きている。

本人は朝気が付いたら渼妃が死んでいたと言っていた。

月娘の侍女から受け取ったモノがトリカブトだとは知らなかったと。




しかし、盗賊が入ったにしては綺麗過ぎた荒らされた部屋。

争った形跡はあっても、それは室内で、見知らぬ人が入ってきたなら渼妃はもっと激しく逃げていたはずだ。




顔見知りの人間が『急に』襲い出したと言う状況がしっくりくる。

それが出来るのは、ずっと一緒に居たはずの侍女だろう。
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