【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第15章 【R指定】初恋的回忆〜初恋の思い出〜⑥
そんな月娘の体を、壬氏は再び強く抱きしめた。
「……動くな月娘…。溢れる。」
「あ…。」
月娘は壬氏の言葉で、今自分の中に壬氏の全てが吐き出されている事が分かった。
「…っどうすればいいの?」
「………そのままジッとしてて…。」
慌てた様に言う月娘に、壬氏は自身の体を預ける様にゆっくりと体の力を抜いた。
「……………………。」
あっという間に終わった行為に、月娘は戸惑いながらも壬氏の言葉に従った。
そして再び壬氏がキスをしてくるのを受け止める事しか出来ない。
月娘は綺麗な思い出だと信じていた自分の恋心が汚れて。
こんな欲望しか壬氏に望んでいなかった自分の気持ちに、一瞬嫌悪感が生まれた。
でもそれは一瞬で。
目の前の壬氏もまた。思い出の綺麗な男の子では無くて。
自分の様に情欲を持って月娘の体を貪っているのを見て。
この欲望もまた心地良かった。