【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第15章 【R指定】初恋的回忆〜初恋の思い出〜⑥
「瑞……。」
こんな風に好きな男に言われたら。
その心をあけ渡す事は当たり前だった。
それがどんな未熟な2人でも。
月娘の初夜は壬氏との婚姻の後のはずだった。
結婚した後に、2人で笑い合って。
その幸せの中で、2人で抱き合う。
そんな月娘の想像とはほど遠かった。
絡み合う2人は未婚で。
この行為を受け止めた月娘だけが、皇弟の壬氏に全てを奪われる。
そんな一方的な行為に成り下がっていた。
「っ!いっーっああっ…ー。」
それでも壬氏を受け入れたのはーーー。
『そこで何をしているの?』
あの時。木の上で月娘を見下ろしていた。
目と目が合ってお互いを見つめた。
あの一瞬の瞬間に全てが歯車の様に回った。
月娘こそが自分のただ1人の女人で。
彼女以外に美しいと思う女人など1人も居なかった。
そんな幼い2人の初恋から始まった物語だった。