【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第15章 【R指定】初恋的回忆〜初恋の思い出〜⑥
これは……。
本当に2人で習ったあの春画と同じ行為なのだろうか。
違う。
全然違うモノだ。
月娘の白い肌に唇を押し付けた。
その甘い肌に吸い付いた時に、赤く染まる月娘の肌。
漏れる声。
春画を興味無さそうにめくりながら、そっとその絵に月娘を重ねた幼い記憶。
全てが現実となり目の前にあるのに何処か夢心地だった。
なのに五感の全てが月娘を求めている。
彼女の柔らかい体に、息を吸う度に香る匂いに酔うのは簡単な事だった。
「っ待ってっ…瑞っ…待って…っ!」
知っている知識は現実に感じる感情とは全く違った。
こんなに…。
この行為がこんなに全ての思考が遮断される様な強烈な衝撃と感情。
そんな事春画では得られない衝撃だった。
月娘の全身に走った衝撃は……。
強い恐怖だった。
「…っ瑞…っ待って!」
この壬氏の感情に呑まれたら。
もう2度とー。
「はぁ…。月娘…。2度と俺から離れられない様にしてやるよ。」