第14章 【R指定】初恋的回忆〜初恋の思い出〜⑤

確かにもう…。

この気持ちに決着を付ける時なんだと思った。


このまま壬氏の婚約をしていても、婚姻を結ぶ事はない。

だったら早く縁を切るしかない。


壬氏が婚姻を伸ばし、宦官になると言った時は、泣いて縋った。

だけど壬氏が月娘の方を振り向いてくれる事は無かった。


あの時に、二人の縁も切れたのだ。


そう振り払おうとしても、月娘はこの2年は気持ちの整理も出来なかった。

皇太子でなくなった壬氏を思い出し、宦官の壬氏に会いに行ったりもした。


だけど後宮で見る壬氏は、月娘が知っている壬氏とかけ離れていた。

東宮に居る時よりも、後宮に居る時の方が、壬氏は笑っていた。


重たい責務から解放されて、帝の補佐を務める方が自分に合った道だと彼自身思ったのだろう。

だけど壬氏は忘れていた。

その間、月娘は彼に放置されていた。


勿論、手紙を月娘に送ったり、彼女に会いたいと乞うたりもした。

だけど、月娘を壬氏の宮に入れる事は決してしなかった。