【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第2章 後宮の外に毒の華が咲く②
「!!!!ビクッ!!」
猫猫がそう言って振り返って月娘を見ると。
とてつも無く冷たい目で猫猫を見ていた。
そう…それはまるで殺さんばりの目線だった。
『言うなと言ったわよね。』
月娘の口パクで、猫猫は先日の月娘の言葉を思い出した。
え?コレって言いふらした事になるの?
ゾゾゾッと猫猫に悪寒が走った。
今日が命日になると本気で思った。
「薬屋をそんな目で見るな!」
今にも猫猫を殺しそうな月娘の前に、壬氏は慌てて間に入った。
「……そうね……。言う必要があるわよね…。」
月娘は扇で口元を隠して、諦めた様にため息を吐いた。
(月娘様が殺人容疑より隠したかった事は何なんだ?)
猫猫はまだ治らない鼓動を、胸を抑えながら月娘見て、ゴクリと生唾を飲んだ。
「猫猫なら何の薬だか分かるだろうけど…それは気付け薬よ。」
「気付け……気性が荒すぎて気でも失うのか?」
壬氏は呆れた様に言うが、要するに癇癪を落ち着かせる薬である。