【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第13章 【R指定】初恋的回忆〜初恋の思い出〜④
「………………。」
「………………。」
そう思ったのに、壬氏は今、眉間に深く皺を寄せて明らかに不機嫌そうに座っている。
心なしか体も崩れてきた。
あの座り方は不機嫌さを隠さない時の座り方だ。
春画を見ながら、あんな顔をする少年が居るのだろうか……。
「……殿下…。集中出来ないなら、やはり夜伽をしますか?」
「っ!真面目にやってるよ!!」
少しの怒りを帯びた高順の声に、壬氏はハッとなって叫んだ。
そうは言っても……。
壬氏は春画に少しも興味を持てなかった。
ただ男女がまぐわい、絡み合っている画に。
逆に気持ちが引いていくのが分かった。
それでも、初夜に何をするのかは理解出来た。
教わった事は、この行為をする事が、世継ぎを作る為の大切な行為だと言う事だ。
その為に後宮があり、壬氏は世継ぎの為に月娘以外の妃を娶らなくてはいけないと。
聞けば聞くほどウンザリする様だった。
そんな壬氏を見て、高順は浅くため息を吐いた。