【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第1章 後宮の外に毒の華が咲く
その結果、月娘は世間からこう呼ばれる事になった。
『後宮の中は皇帝の為の華が咲く。
後宮の外で咲いた華は蕾になる事なく首を垂れた。
それがどんなに綺麗な華でも決して後宮には咲かない。
後宮の外に咲く華は毒の華。
毒の華が後宮に入る事は決して無い。』
月娘と瑞月の結婚が無くなった時に流行った詩だった。
月娘を見れば、その流行歌を口ずさむ者もいる。
皇帝の後押しと、太師の娘というのに瑞月へ腰入り出来なかった月娘は。
その理由を『毒を持つ華』だからと謳われた。
後宮の外に咲く毒の華の月娘は、どんなに美しく咲いていても誰も愛でる者がいない。
ここに『美しき毒の華』月娘が出来上がった。
毒の華はその後をどう過ごしているのか。
誰もが目を逸らす事が出来ない美しい華を。
その華がどう咲くのか。
誰もが月娘から目を離さないでいた。