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【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】

第13章 【R指定】初恋的回忆〜初恋の思い出〜④


ああ…ダメだ。

すぐに月娘の元に来て、眉を下げている壬氏を見ると、さっきまで会った怒りが治ってしまいそうだ。



それは壬氏と会ったこの一瞬だけで、また離れたら鬱々とした気持ちが湧いてくるのは分かっている。

だけどやっぱり月娘も壬氏に甘えたかった。



「……瑞……。会いたかった…。」

壬氏の手を取って、月娘は壬氏の胸元に簡単にその顔を埋めた。

「俺も会いたかった。」

腕の中に入って来た月娘を、壬氏はぎゅっと抱き締める。



ほらやっぱり。

簡単に壬氏に絆されてしまう。



壬氏は月娘の手の中にある教本の感触に、月娘の体を自分から離した。

「老先生から貰った宿題か?」

「……うん…。でも難しくて…。」

「俺も学んでいる事だから、一緒にやるか?」



瑞も学んでいる?

その言葉に月娘は疑問を持った。

なんで自分は壬氏と同じ事を学んでいるのだろう。



月娘の疑問は表情に表れていて、その顔を見て壬氏は目を細めた。
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