【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第13章 【R指定】初恋的回忆〜初恋の思い出〜④
「老先生。私はこれで失礼いたします。」
「……月娘様…こちらの教本をお持ち帰り下さい。今回の宿題です。」
「…………………。」
月娘は老先生から渡された月娘を見て、嫌な顔を隠さなかった。
彼が渡してくる教本は難しいのだ。
単語の1つの意味も分からずに、調べながら読むしか出来ない。
それでも渡された教本を掴むと、月娘は一例をして老先生の部屋を出た。
(………皇太子殿下は何を考えているのか……。)
月娘の背後を見ながら老先生は考えた。
壬氏が老先生伝に渡した教本は統治学。
(……一介の側室が学ぶ様な内容じゃない。)
老先生は考えた。
何故月娘は他の妃候補が習う様な学びを教えないのか。
(殿下はもしかしたら月娘様を……)
そこまで考えて老先生は自分の思考を停止させた。
これもまた自分の憶測にしか過ぎないからだ。
皇太子と同じ事を月娘が学んでいるのは、今はまだ老先生しか知らなかった。