【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第13章 【R指定】初恋的回忆〜初恋の思い出〜④
その侍女は間違いなく月娘にやられたと言いふれた。
そして月娘に聞きたくても、月娘は何の弁解もしなかった。
月娘の悪い噂が止まらない。
(だけどそれだけが月娘を正妃に出来なかった理由じゃ無い…。)
皇后妃の血縁の美雨(メイユイ)。
宰相の娘の雪(シュェ)
この2人を女官見習いから外す事は出来なかった。
「……………月娘……。」
こんなに時間も力も使っても、結局は思い通りに出来なかった。
1番の理由は…。
未だ帝から男児が育たない事だった。
帝に男児が産まれたら、この東宮の座なんてすぐに空けるのに…。
「……………………。」
そう考えた時に、壬氏は目を大きく見開いた。
「………月娘との婚姻を取りやめる……。」
「殿下!!」
壬氏の言葉に高順は驚愕の声を上げた。
「……帝の東宮が産まれたら…俺も月娘も皇室に囚われる事も無い……。」
月娘が正妃になれないなら。
俺が皇太子で居る必要も無い。