【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第13章 【R指定】初恋的回忆〜初恋の思い出〜④
壬氏は婚約の冊封を出すと同時に、どんどん女官見習いを減らしていった。
そうすると、他の官僚達は違う手立てを考え始める。
月娘の侍女に自分の娘を推薦し始めた。
最初こそ枋太師は中和を守る為に、その提案を受けていた。
しかしある官僚の娘は、月娘に着いて東宮に来る度に、あからさまに壬氏に色目を使った。
壬氏も最初は月娘の侍女という事で我慢していた。
月娘が僑香(きょうこう)を大切にしているから、壬氏は月娘の侍女達には特段優しく接していた。
しかし。それが間違いだった。
月娘を差し置いてその侍女が自分の部屋に来た時に。
壬氏は言いようの無い怒りを覚えた。
すぐにその侍女を東宮の出入りを禁止した。
それに対して月娘は淡々としていた。
枋家の対応を謝罪し、すぐにその侍女を枋家から追い出した。
その侍女は実家に送られた際に、目も当てられないほどの体罰を受けていたという。
壬氏はその話を聞いた時に驚いた。
彼の知っている月娘は、そんな事をする女人では無いからだ。