【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第13章 【R指定】初恋的回忆〜初恋の思い出〜④
「………はぁ………すまない…。」
「……………。」
壬氏は今自分が感情だけで高順に怒鳴っている事を恥じた様な顔をした。
月娘を婚約者として冊封を出してから3年……。
月娘は全く別人になった様だった。
婚約者と発表する前には、会う機会は少なくても、後宮で会えば月娘は壬氏に笑みを見せていた。
そして誰が見ても月娘は女官見習いになる為に、一生懸命勤勉をしていた。
それなのに………。
いつからだろうか、月娘の評判はどんどん悪くなるばかりだった。
そうだ……。
3年前の壬氏の誕生日の日に、月娘は堂々と何も持たずに東宮に現れた。
月娘と婚約の冊封を伝えてからすぐだった。
その時の月娘の堂々とした態度は……。
傲慢にも美しかった。
その時の月娘の顔を壬氏は今でも覚えている。
何かを決意した様な。
そんな表情だった。
それが自分達の未来にこんなに影響するとは思わなかった。