【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第13章 【R指定】初恋的回忆〜初恋の思い出〜④
「もうすぐ後宮から冊封が届く。」
「…………………。」
「お前が側室として初めての皇太子殿下の妃になるだろう。」
月娘は枋(ほう)太師の言葉を聞いてゆっくりと目を閉じた。
齢13歳。
壬氏が14歳になる歳に2人は夫婦になる。
「俺は月娘が正妃にならないなら結婚しない!!」
そう執務室で高順に八つ当たりの様に叫ぶのは壬氏だった。
冗談じゃ無かった。
正妃の座を開けて月娘を後宮に入れると言う事は、月娘以外の妃も招き入れる事になる。
それを回避する為に、この6年間我慢してきたのに…。
「皇太子殿下…。それでも月娘様が貴方様の初めての妃になります。」
「うるさい!!!」
壬氏は机の上にあった上奏文を投げつけた。
「………………。」
壬氏の息は荒く大きな呼吸を繰り返していた。
だけど高順はそんな壬氏に何も言わず、ジッとその姿を見ていた。
その高順の行動が少しの壬氏の理性に刺さった。