• テキストサイズ

【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】

第12章 【R指定】初恋的回忆〜初恋の思い出〜③


月娘の棟に自由に入れる人間なんて僑香か夏潤しか居ない。

そして夏潤にはその動機がある事は分かっている。



『月娘を後宮に入れない為。』



夏潤の罪を公にして、彼を罰する事も出来た。

だけど夏潤が何故その様な事をしたのか、月娘には分かっていた。



月娘に幸せになって貰いたい。

彼の自己満のその判断にも、月娘は夏潤が自分の為にそうしてくれたと思った。



この時に、夏潤の罪を公にしていたら、この先の2人の関係がこんなにも歪になる事は無かったかもしれない。

だけど月娘には、この時は僑香や夏潤が1番自分の事を考えてくれている心の糧だった。



壬氏よりも。








ーー

ーーー



月娘は何も持たずに東宮に現れた。



その時の官僚達のざわめきと、壬氏の顔を今でも覚えている。



壬氏は何も持ってこなかった月娘に対して、最初は驚いた顔をしたが、ゆっくりとその目を伏せた。



月娘もまたその騒動の中、壬氏の顔を見た後に、同じ様に目を伏せた。






/ 408ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp