【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第12章 【R指定】初恋的回忆〜初恋の思い出〜③
「枋大師は?!」
「すでに向かっています。」
僑香を置いて、壬氏は高順と一緒に旧後宮に向かった。
いくら枋大師でも、旧後宮に入り込める事は出来ない。
皇太后にも伝達が向かっていると知って、壬氏は迷わず旧後宮に向かった。
いつもは旧後宮に塞ぎ込んでいる為、その存在を忘れていた。
想像したくない事が、勝手に頭の中を巡っていた。
どうか無事でいて欲しい。
壬氏は叫びたくなる気持ちを堪えて、月娘の元に向かった。
壬氏が旧後宮に着くと、枋大師はもうすでに着いていた。
想像通り、中には入れないで、潜門の所で何やら叫んで居た。
壬氏と同時に皇太后も到着した。
皇太后の顔も壬氏と同じ事を考えているとすぐに分かった。
「月娘!!」
壬氏はすぐに旧後宮に入ろうとしたが、皇太后に止められた。
想像している通りの事なら。
壬氏に見せるのは酷だと思ったからだ。
「私が行きます。」
そう皇太后が旧後宮に入ろうとした時に、旧後宮の扉が開いた。