【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第12章 【R指定】初恋的回忆〜初恋の思い出〜③
だけどそれでは先過ぎる。
その為近い内に月娘を婚約者として発表するつもりだった。
それを今日月娘に伝えようとしているのだ。
それだけでも、かなりの反発が各官僚から出るのは分かっていた。
だけど正妃ほどの反発ではないとも分かっている。
今皇室には、月娘が隠れる為の女官見習いの娘達が集まっているのだから。
最初の結婚が月娘となっても、次は自分の娘かもしれない。
このタイミングで月娘との仲を発表出来れば、結婚が決まった月娘ではなくて、残った者達だけで残りの枠を争う事になるだろうから。
月娘から目を逸らさせる事も今なら出来る。
本当に大変なのはここからだった。
壬氏は月娘以外の妃は必要ない。
他の妃達を娶らない為の準備が必要になる。
月娘を正妃にするより、その方が骨が折れる仕事だった。
(もうすでに老先生にも話をして、月娘を女官見習いではなく、婚約者と発表する事は決定している。)
順調に進んでいると壬氏は思っていた。
この3年間我慢したのだから、もう自分達が報われていいと壬氏は信じていた。