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【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】

第12章 【R指定】初恋的回忆〜初恋の思い出〜③


「こんな風にコソコソと会いに来られても、月娘様は喜ばないと思いますよ。」

僑香の最もな言葉に壬氏は言葉を失った。



「……それでも月娘にちゃんと伝えたい。」

(……何故この人は、月娘様の気持ちが分からないのだろう…。)

僑香は頑なに月娘との関係を公表しない壬氏が不思議でたまらなかった。



そしてその事で悲しんでいる月娘を見ては、壬氏の事を恨んだりもした。

壬氏が月娘を好きな事は分かっている。

(だけど私が仕えている月娘様は、こんな扱いを受けていい方では無い。)



「ちゃんと月娘様との事を公表して下さい。もう2度と月娘様に無礼な事をする人間が現れない様に。」

そう壬氏の目を見て、僑香はハッキリと言った。



「……分かっている。それももう少しで解決出来る。」

壬氏とて、いつまでも月娘を隠す気は無かった。

もうすぐ正式に壬氏と月娘の婚姻が決まる。



壬氏は自分の冠礼の時期に合わせて、月娘との婚姻を発表しようとしていた。
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