【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第2章 後宮の外に毒の華が咲く②
「……何故渼妃に毒を飲ませたのだ?」
「っ!!???」
壬氏の部屋で、月娘を目の前にして壬氏は問い詰めていた。
(この人さっき、月娘様が犯人じゃ無いって言ってなかったっけ!!??)
あの悲痛な表情をした人物と同一人物だろうか。
月娘が犯人と決めつけて、尋問している様にしか見えなかった。
「………………。」
一方月娘は、表情1つ変えないで壬氏を見据えていた。
しかし、その目線の中に、虫を見る様な目付きを猫猫は見逃さなかった。
「……何で私が渼妃を殺さないといけないの?」
本当にその通りだと、猫猫は大きく頷いた。
「渼妃は……。」
グッと壬氏が拳を握った。
なんだ?何か理由があるのか?
猫猫は身を乗り出して2人の会話を盗み聞いた。
「私にアレコレと色目を使っていた。」
「「………………。」」
真面目な顔をして何を言っているのだろうか。
多分、猫猫と月娘は同じ顔をしている。
うん。
そんな理由で人殺すかよ。